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4割は「事業承継税制を知らない」 東商が事業承継の実態アンケート

2024/04/03

 東京商工会議所・事業承継対策委員会は、中小企業の事業承継の実態を把握するため、昨年7月から8月にかけて主に東京23区内の中小・小規模企業1万社にアンケートを実施し、このほど集計結果を報告書に取りまとめた(回答数1661社。回収率16.6%)。

 それによると、中小企業の事業承継の現状として、後継者(候補含む)がいる企業は53.5%、「後継者を決めていないが、事業は継続したい」企業は29.7%だった。後継者との関係では、親族内が72.6%と高い割合を占めている。一方で、従業員(親族外)は27.4%。後継者が従業員と回答した割合は3年前の調査より約8ポイント上昇した。

 また、事業承継に要する期間として、現代表者が事業承継を意識してから、後継者の承諾を得るまでの期間は3年以上5年未満が21.5%、5年以上10年未満が14.9%、10年以上が6.1%となり、3年以上が42.5%となった。

 また、後継者の承諾を得てから事業承継完了までに必要な期間として、3年以上5年未満が17.9%、5年以上10年未満が22.7%、10年以上が8.2%で、3年以上必要という回答は全体の約5割にのぼった。このように事業承継は時間がかかるものの、事業承継計画を作成している企業は2割にも満たないことが分かった。

 後継者(候補含む)がいる企業において、法人版事業承継税制特例措置の利用・検討状況を尋ねたところ、「利用・検討したことがある」企業の割合は26.4%だった。

 「内容を知っているが、検討していない」企業は34.0%だった。これらの企業に障壁になっているものを尋ねると、「適用期限(2027年12月)までに事業承継を完了することができない」(23.9%)、「後継者候補はいるが、経営者としての人材育成が終わっていない」(32.9%)などが目立った。

 一報、「事業承継税制を知らない」と回答した企業は39.6%で、約4割近くにも及んだ。事業承継税制を知らない企業は、「後継者への株式の移転」よりも「借入金・債務保証の引継ぎ」に課題を抱えている企業が多かった。

東京商工会議所の「事業承継に関する実態アンケート」集計結果はこちら

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